2015/11/24 622

. 書店 .

最近、スマートフォンなどの携帯端末で本を読む機会が増えました。

特に海外などへの長期間の旅には、本の重さを考えると至極便利です。

しかし先日、考えさせられる状況に落ち入りました。



仕事で名古屋に出た時です。

昼食を取り、次の会議まで一時間のインターバル。

本屋で時間をつぶそうとあたりを見回しますが見当たりません。

確かこのあたりに老舗の書店があったはず、、。

記憶を頼りに探せども見つかりません。

それではとしばらく歩いて大型書店に向かったのですが、ここも閉店しています。

考えてみれば自分自身、新聞の書評で見つけた本はネットで注文することばかり。

むべなるかなと納得したのですが、何やら寂しい気になりました。



書店で思わぬ書物と出会うのは無上の楽しみ。

そこで新たな作家と出会い、追っかけた例は数知れません。

携帯で勧められる書物は、過去のデータから私のテイストを知り尽くしたものばかり。

偶然の出会いから生まれる感動など期待するほうが無理なのです。



最近街を歩けばクイックマッサージの看板が目につきます。

慌ただしい時代が生んだ、時間つぶしの新商売。

心のマッサージ店である書店を廃業に追い込んでいるのは、結局私たちなのかもしれません。

2015/11/16 621

. 小京都 .

先週は、金曜、土曜は金沢、日曜日は飛騨高山。

紅葉のベストシーズンに小京都、2都市を訪れる幸運に恵まれました。



新幹線開通後、初めて着いた金沢駅。まるで東京駅のような混雑ぶりです。

在来線のしらさぎでの名古屋からの旅の車内はほぼ半分の埋まり具合。

いかに新幹線での関東からの観光客が多いか、よくわかります。



ホテルでの会話に英語、フランス語が混じるのは欧米人観光客が多い証拠。

意外なことにアジアからの客は多くありません。

これは次に訪れた高山も同様。ただし高山はバックパッカー風の若者が目立ちます。



街の繁華街の商店の風景は両市とも東京、大阪とは大違い。

免税店を示すのぼり、ポスターはほとんどありません。

大型家電の店、ドラッグストアーも目立ちません。

これでは爆買いしようにもできません。

渋い漆や金箔の工芸店には日本人、欧米人の好事家が集まっています。



蟹の旬で賑わう金沢近江町市場。新鮮な野菜や朴葉味噌を売る高山の朝市。

もちろん日本人観光客で大賑わいです。

インバウンド、インバウンドと言われる昨今、なにやらホッとした3日間の旅でした。

2015/11/09 620

. 醸終祭 .

先週の6日、御神酒「三重の新嘗」の醸終祭が当社の仕込み蔵で行なわれました。
これは三重県神社庁から当社が依頼を受けた御神酒の完成を祝う催しで、今年で4
年目に当たります。

しめやかな雅楽が流れる中、厳粛でピンと張り詰めた空気が蔵内に漂います。
三重県とその民の平安を祈る祝詞が捧げられ、参列者の玉串奉納。
醸造の無事に感謝し、神前に捧げた神酒を神社庁長官に手渡し、無事に神事は終
了。
参列いただいた方々と出来上がったばかりの神酒での直会が始まりました。

直会とはもともと神事に奉仕した民の労苦を労わるための催し。
先ほどまでの緊張とは打って変わり、和気あいあいの宴です。

三重県神社庁には817社の神社があり、すべての新嘗祭でこの神酒が供えられま
す。
そして今回と同じように、それぞれの直会で氏子の方々の喉を潤すのが当社の酒。
なんとも有難い仕事を仰せつかっていることに感謝、感激です。

今年の使用した酒米は三重県の開発した「神の穂」。まさに御神酒のための酒米で
す。
芳醇な香りと味わいは濁り酒にはうってつけ。
今年の造りを占う最初の仕込み、「三重の新嘗」は上々の仕上がり。
いよいよ4月までの長い酒仕込みの幕が開きました。

2015/11/02 619

. ベトナムの風に吹​かれて .

初の日本、ベトナム合作映画「ベトナムの風に吹かれて」を観てきました。

名古屋の名演小劇場、知る人ぞ知る通好みの映画館。

百席余りの劇場は満席。ほとんどがシルバー世代です。

明るくなる最後まで席を立たない、映画通の観客ばかりの聖地でもあります



松坂慶子扮する主人公が新潟から母を勤務先のベトナム、ハノイに引き取るところから物語は始まります。

そこには老老介護、家族の確執等日本が抱える様々な問題が提起されます。

異国ベトナムの穏やかな空気に癒されてゆく母と娘。

並の映画ならこのままハッピーエンドなのですが、現実はそう甘くはありません。

母の交通事故をきっかけに認知症が悪化。壮絶な介護が始まります。



さすが名匠の大森一樹監督。単なるハートウオーミングな作品にはしませんでした。

主演の松坂慶子はまさに等身大の主人公を熱演。

支える共演者も草村礼子、奥田瑛二、柄本明等渋い役者ばかり。特に全共闘崩れの奥田はピッタリのはまり役。



実はこの映画、撮影中に当社にキンミヤ焼酎のポスターの提供依頼がありました。

注視して観ると、ハノイの日本食堂「昭和」の場面では壁の至る所にキンミヤのレトロマークが、、。

そして最後のエンドロールにも宮崎本店の名前。なんと美術協力会社として記されています。

昭和世代のわれら夫婦、なんとも面映ゆい気持ちで映画館を後にしました。

2015/10/27 618

. 銀閣寺 .

観光の秋、芸術の秋たけなわです。

先日、久しぶりに京都、銀閣寺を訪れました。

現在、秋の特別拝観が行われています。



相変わらずの外国人観光客で大賑わいの哲学の道。

銀閣寺も押すな押すなの人だかりです。

ところが特別拝観で本堂、書院に上がるとそこは静寂の世界。

人数制限もあるのですが、お目当ての日本画はやはり一般の外国人観光客には不向きなのでしょうか。



本堂、西の間の与謝蕪村の「棕櫚に叭々鳥図」。まるで飛び立つ鳥の様が現代のアニメーション。

もう一つの「飲中人物図」は仙人が酔う様を描いたユーモラスな名品です。

俳句のみならず、画家としての蕪村の面目躍如たる作品に感嘆しました。



東の間には池大雅の「琴棋書画図」。

山中で遊戯三昧にふける文人が大雅の理想像として描かれています。



圧巻は奥田元宋の襖絵3点。赤の色彩の大家、元宋の「湖畔秋耀」はまさに圧巻。

東山魁夷と並び称される玄宗。それはもはやクラッシック作品と呼べそうです。

現代絵画が墨絵と同一寺院に飾られる京都文化の奥深さを感じずにはいられません。

秋晴れの京都、日本の文化を満喫した一日でした。




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