2016/12/12 678

. 酒税改正 .

酒税法改正案が発表されました。

ビール、発泡酒、第三のビールの酒税が一本化されます。

しかも、何と10年かけて徐々に同じにするという異例な措置です。



消費者への激変緩和措置といわれますが、実はビールメーカーへの配慮。

長年のデフレで価格は下がるいっぽう。

ビール類に占めるビールのシェアはジリジリ下がり、ついには50%を切る有様です。

当然のことながら、メーカー間のシェア争いにも大影響。

ビール主体のメーカーと発泡酒、第三のビール中心のメーカーに分かれました。



今回の酒税改正が短期間で実行されれば、メーカーの対策が間に合わない可能性大。

安くなるビールが売れ行きを伸ばし、他はシェア低下。果てはその存在さえ危ぶま
れます。

ビール以外は糖質0、プリン体0等の機能性で売るしかありません。

酒税の安さに依存した、低価格のみの売り方が通用しない事態になります。



一方、国内メーカーが低価格競争で体力を消耗している間、海外では大手メーカー
の合従連衡が進みました。

日本のトップブランドメーカーでも世界では数%のシェアしかありません。

まさにビール業界のガラパゴス。

今後ビール酒税が一本化となれば、満を持して国内進出してくる海外勢とガチンコ勝負。

文字通りの内憂外患。10年という期間は長そうで意外に短いのかもしれません。





2016/12/05 677

. カジノ法案 .

カジノ解禁法案が強行採決。会期内に成立する見通しとなりました。

訪日外国人の誘致を目指し、カジノ、ホテル等が一体化した施設の促進を目指した法案。

成長戦略の柱として政府期待の施策の一環だそうです。



数年前、初めて訪日したヨーロッパの友人を繁華街に案内した時のことです。

騒がしい音楽が流れるパチンコ店を見て彼曰く「日本はカジノ天国ですね」

こちらは説明に苦慮し、赤面しきりでした。

パチンコは調べてみると「遊戯」と定義されています。

賭博はあくまで公営のみ。競馬、競輪等に限られています。

パチンコは店内で現金の払い戻しは出来ず、景品交換という子供だましで賭博では
ないという論理。

今回はこれを正当化し、民営賭博を解禁。これがインバウンドを促し、ひいては成
長戦略の柱だとすれば何ともお寒い限りです。




訪日客の増加にホテル供給が間に合わず、切り札の民泊法案は未だ未整備。

既成事実の積み重ねで、いつの間にかなし崩し的に民泊を黙認。

パチンコは景品交換で博打にあらずという論法に似ています。

観光地の外国語表示も未だ未整備。

WIFI環境も追いつかず、空港に着いた外国人は途方にくれる事態です。



カジノ法案の前にやるべきインバウンド促進策は山ほどあるはず。

地球温暖化防止のパリ条約といい、TTP法案といい、審議の優先順位が滅茶苦茶。

法案審議順位に昔懐かしい「仕分け」の手法が今こそ必要ですね。



2016/11/28 676

. チェット ベーカー .

チェットベーカーとマイルスデイビス、ソニーロリンズとジョン コルトレーン。
1960年代のモダンジャズ全盛時代のライバルプレーヤー。
当時のジャズファンは明快派と思索派にファンが二分されていました。
私は断然明快派。とりわけチェットベーカーが大のお気に入りでした。
彼の哀愁に満ちたトランペットと気だるいボーカル。
女性の声かと聞き間違うアンニュイ感は、新米のジャズファンだった私にはたまり
ませんでした。


「Born to be blue」はチェットベーカーの自伝映画。
主演のイーサンホークはまさにチェットが乗り移ったかのような迫真の演技です。
アカデミー賞へのノミネート、ほぼ確実。いい役者になりました。


ウエストコーストジャズの雄として人気、実力とも赤丸急上昇のチェット。
やがて東海岸への進出とともにドラッグに溺れ、暴力事件で再起不能とさえ思われ
ます。
そこから恋人の支えで再びステージへ。
こう書くと何とも大甘な映画と思われますが、更生の厳しさ、そして待ち受ける苦
い結末。
キーワードは「瞬間と永遠」。最後のシーンの彼のヴォーカルに思わず涙です。


黒人から白人へのジャズマンとしての逆差別。
カントリーサイドのプアホワイトの黒人への強烈な反感。
トランプ勝利の原点を見る60年代のアメリカの風景描写。


イーサンホーク自身が歌うバラードの数々。チェットのオリジナルCDが再評価され
るに違いありません。
久しぶりに最後のクレジットタイトル終了まで、誰も席を立たない映画を堪能しま
した。


この映画の日本のタイトル名は「ブルーに生まれついて」。
内容と音楽の斬新さに比べ、このダサさ、何とかなりませんかねえ。



2016/11/21 675

. トランプ現象 .

アメリカの次期大統領にトランプ氏が決定してから早や二週間。

未だに世界中の動揺が収まりません。

イギリスのEU離脱ショックとは比べものにならないほどの激震です。



株価は予想外の高値。ビジネスマン、トランプに期待する相場と言われています。

しかし果たして彼は本当にビジネスの天才なのでしょうか。

むしろディーラー、相場師と呼ぶのが正解なのでは、、。

自身の企業を何度も破綻させ、法的救済で生き延びるのをスマートと言い切るその
人格。

そんな彼ならではの株式市場の高騰ともいえます。



早速、世界一素早く会談したのが安倍総理。

こちらも経済政策は株価を上げることと円相場を下げることがすべて。

実態経済をご存じないのはトランプ氏と同じ。

お互いに皮膚感覚で理解し合えるのも、むべなるかなです。



中国からの製品に関税を25%かけるとの公約。

メキシコ国境に壁を作り、移民排斥でアメリカ経済は確実にコストアップ。

保護主義政策でインフレは必至です。



2%の物価上昇目標達成が絶望となった我が日本経済。

まさかその特効薬はアメリカに在りと、教えを乞いに馳せ参じたのではありません
よね。




2016/11/14 674

. ジェフリー アーチャー .

久しぶりに訪れた、古い付き合いのバー。

ここの店主とは酒はもちろん、映画、本、音楽と趣味が共通。

そこで勧められたのがジェフリー アーチャーの新作「クリフトン」一代記。


20数年前、ケインとアベルで一斉を風靡したアーチャー。

バーのカウンター越しに二人で語り合った長編の名作でした。

彼の新作が出たことも知らず、勧められるままに読み始めたのがこの小説です。

現在日本で出版されているのは、第5部まで。

1部が文庫本上下で、5部合わせると何と10冊となります。

最終的には7部作だそうで、日本での続編が渇望されています。


クリフトン、バリントン両家の3代にわたる壮大な物語。

まるで三国志の西洋版とも言える大河小説です。

またアーチャーならではのサスペンス満載。巻の終わりはあざとさと紙一重の気の

持たせ方。

瞬く間に読破すること、請け合いです。


ただ翻訳がイマイチ。イギリス小説独特の言い回しがうまく伝わりません。

そのため、読み始めはエンジンが掛からず四苦八苦しました。

同時に登場人物が多く、年表、人物一覧表と首っ引きがしばらく続きます。

しかし1920年代から60年代までの歴史、経済を背景にした波乱万丈のストーリーに

ハマるには、そう時間はかかりません。


今年は夏から一挙に冬へ季節が変化。

読書の秋を楽しめなかった分、コタツでじっくり冬読書にぴったりの作品です。




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