2016/06/20 653

. モンロー主義 .

イギリスのEU離脱の是非を問う国民投票が来週に迫りました。

そんな中、残留派議員が銃で撃たれ殺害。

残留、離脱の両派の対立はとうとうテロという最悪の事態となりました。


離脱派の多くは高年齢、低所得者で移民反対の人々が多いと言われています。

安い賃金で働く旧東欧の移民によって職を奪われた人達のフラストレーション。

そのはけ口がEUからの離脱へと向かいました。

世界経済への影響、自国の将来より、今現在の自分の問題解決が優先。

果たしてどんな結末が待っているのでしょうか。


この傾向はアメリカ大統領選挙も同様です。

トランプ支持者もプアーホワイトで移民反対の人々が主流。

メキシコとの国境に壁を作るという荒唐無稽な主張が受け入れられる理由はここに
あります。

TPP締結についてはトランプ、ヒラリー両候補とも反対。

保護主義、内向きのモンロー主義の影が忍び寄ってきます。


両大国の問題の根っ子は他国、他民族の排斥。

内政の問題を国外の敵の排斥にすり替えるのは、かってのナチスドイツの常道手段
でした。


翻って我が国、日本。

ダイバーシティで多様化を認める議論がある一方、ヘイトスピーチは未だに盛ん。

かっての大国の轍を踏まないことを祈るのみです。


2016/06/13 652

. 強弁 .

舛添都知事への疑惑が収まりません。

都議会での追及、記者会見での質問ものらりくらり。

自身が雇った弁護士を「第三者」という厚かましさ。

その答弁を聞くと怒りより、もはやお笑いネタ。

強弁振りもここまで来ると、へ理屈も一種の芸ではないかと楽しみになります。


消費税増税は予想どうり延期となりました。

この決定までのプロセスも検証するとなかなかのものです。

海外の著名な学者を総動員して、不安定な経済情勢から延期をアピール。

いかにも彼らは第三者のようですが、もとはと言えば「アベノミクス」を考えた政
府側のいわば御用学者。

グローバル化の影響で、経済状態の悪化の原因は予期せぬ外的要因と断定しまし
た。


このような状態では、消費税増税などあり得ず、むしろ財政出動を増やすべし。

折からの伊勢志摩サミットで「リーマンショック」前夜をの不安を煽り、アリバイ
を作るつもりが、逆に各国から失笑を買う始末。

それでも、「アベノミクス」は成功の道半ばと失敗を認めず、いわば人のせいにし
て消費税延期決定となりました。


強弁の理由を考えれば、どちらも権力への執着。

自身の非は認めず、正当化するためなら何でもあり。

その理屈の非常識なことは本人のみがわからないという不幸。

近視眼的なポピュリズムではなく、大局を見据える政治家はどこに行ってしまった
のでしょうか。



2016/06/06 651

. ブダペスト .

サミットの興奮も冷めやらぬ5月29日、モンドセレクション授賞式出席のため
ハン ガリーのブダペストへ出発しました。
中部国際空港発のルフトハンザ機は満席。そのほとんどがドイツ人。
サミット取材を終えたマスコミ、随行の政府関係者らしき人で溢れています。
これも一つのサミット効果ですね。


20年ぶりに訪れたブダペストの様変わりには驚きました。
東欧の社会主義の暗い影を感じた前回の印象とは大違い。
バカンスを楽しむ西欧人で観光地はバスの列。
EU加盟国でありながら、通貨は未だにコリント。
しかし外国人観光客の外貨は至る所で使えます。
街の要所にはカジノ。観光立国を目指す姿勢が垣間見得ます。


ブダとペスト地区に二分され、間を流れるドナウ川。
行きかう観光船でのパーティ。街の公園にあるいかめしい銅像くらいしか、かって
の東欧の面影はありません。


意外にもミシュランの星のレストランも数多くあります。
ハンガリー料理が洗練され、パリの半額くらいの値段で楽しめます。
ただしその量の多いこと。これも社会主義の名残の一つなのでしょうか。


欧米ホテルがずらりと並んだドナウ川沿い。
伝統ある歴史、文化と商業主義のある種の軽薄さのせめぎ合いが、
目に見えるハンガリー、ブダペストの光景です。


2016/05/30 650

. 伊勢志摩サミット​ .

伊勢志摩サミットが無事に終了しました。

事故事件もなく県民の一人として、正直ホッとしています。


今回のおもてなしの特徴は豊富な県産食材を使った素晴らしい料理。

鮑、伊勢海老、松坂肉はもとより、桑名のハマグリ、尾鷲の太刀魚等、県内各地の食材を使った食事が用意されました。

G7の首脳はもとより、国際メディアセンターでは24時間報道陣にも振舞われ、その情報は世界に発信されました。


また県民人材の活用も画期的。

高校生レストランで有名な相可高校の料理クラブは、何と配偶者プログラムの昼食を担当。

一流シェフ顔負けの味とサービスで要人の舌を魅了しました。


志摩観光ホテルの洋食の総料理長は樋口さんという若い女性シェフ。

三重県産の食材を知り尽くしたフレンチの技で見事大役を成し遂げました。

若者、女性の活躍というテーマを体現した企画はまさにクリーンヒットです。


食事に供された日本酒8種類は全て三重県の蔵元の純米酒。

我が社の純米宮の雪も総理夫妻主催のカクテルパーティで提供されるという幸運。

またワインは全て国産。前回までの国内で開かれたサミットとは様変わり
県産、国産にこだわった配慮に脱帽です。


オールジャパン、オール三重で臨んだ伊勢志摩サミットのおもてなし。

この情報発信を生かすも殺すも、今後の我々民間の努力次第。

日本と三重県の産業の力が試されるのはこれからなのです。



2016/05/23 649

. 佐渡裕 .

5月19日、愛知県芸術劇場でのウイーン トーンキュンストラー管弦楽団のコンサー
トに行ってきました。

佐渡裕が昨年から音楽監督に就任し、今回はその全国凱旋ツアー。

ウイーンの楽友協会を拠点とする100年を超える歴史ある名門オーケストラです。


前半は台湾の俊英、レイ チェンとのベートーヴェンの協奏曲。

27歳の若さ溢れる超絶技巧。それを見守るような佐渡の暖かい指揮ぶり。

ヨーロッパとアジアの血が混ざり合ったような、えもいわれぬひとときでした。


後半はリヒャルト シュトラウスの「英雄の生涯」。

100人を超える楽団員の音の圧倒的な迫力。まるで絵画を見るような、色彩感覚溢
れる音の洪水です。それをまとめる佐渡のエネルギッシュな指揮ぶり。

楽団との相性も抜群。これからの仕事が楽しみです。


アンコールはピッチカートポルカ。やはりウイーンのオーケストラ。

踊るようなエスプリにあふれた演奏で楽団員もニコニコ。

楽友協会ホールでのニューイヤーコンサートを彷彿とさせます。


公演前に佐渡裕から一言挨拶がありました。

青年時代に憧れたウイーンの舞台。立ち見席で聞き惚れたオーケストラ。

今指揮台に立っている自分。「立ちっぱなしの音楽人生でまだ当分は座って聴く側
にはなれません」。

音楽好き、いや人間好きの佐渡裕の面目躍如。

胸躍る素晴らしい一夜でありました。


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